湧水を生活用水にしている村がある。湧水箇所に管を打ち込んで30年以上も生活用水にしてきた。湧水は段丘礫層の斜面から湧き出ていたので、先をとがらせた鋼管の途中に水を引き込む穴をあけて網をかけた管を斜面に打ち込んだものから引水している。

この水が共同受水タンクにほとんどちょろちょろしか入らなくなった。村内では「水源が枯れてきているのではないか」など不穏な空気が流れ、何度調査修理しても原因がつかめず村を出ていくことも念頭に上げる村人もいた。

 このようななか、受水タンクの周囲の配管を切断して水量を確認し、配管のエアだまりを修正したりしたが一向に改善ができないなか、GWに入り村では給水制限を通知し、危機的な状況となっていた。

 このような背景の中で新たな水源を確保することが必要かもしれないと当社も諦めかかっていた。最後に水源の直近の配管を切断したところ。管のなかは水ではなく植物の根が充填されていた。水源が枯れてきた原因は植物の根だったのだ。さてこの根をどのように引き出すのか会社のメンバー全員で思案した。いくつもの対策を考え、GWのさなかの5月3日に乗り込んだ。管を切断するときに汚染水が混入しないように管を上へ引き上げてブロックを台石にして、切断してから根を引っ張ったが、すぐちぎれてしまう。管のなかに排水つまり清掃用の新しいワイヤーを挿入して電動ドライバーで回転を与えてみた。引き抜くときに抜けなくなるなど逆に詰まらせる可能性の恐怖を感じながら何度も何度も抜いては入れて引き出して出来得る限りの根の回収を行った。この後、配管を復旧して通水し、下流側の末端の配管を開放して水をドレンさせてみたところ末端からも根が吹き出てきた。管内の清掃が終わり受水タンクへの水を入れてみると、なんと今までの10倍以上の水量の水が出てきた。不可能に思えた水源つまりの修理が完了できたのだ。

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荒川設備
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